生産品について
米の旨味をきれいに引き出し、幅のある味わいを目指しています。純米酒、純米吟醸、純米大吟醸で全生産の95%を占め、本醸造型大吟醸は技術研鑽のため少量生産していますが、本醸造はなく、特定名称比率は97%(平均精米歩合約55%)程度であり、普通酒も昔からの飲食店様のお燗酒と長期熟成酒研究のためわずかに製造するのみで、地元でも純米酒の蔵と評価されています。蔵元自らが農家、圃場を廻り、農家との良好な関係を大切にしており、使用原料の約60%が山田錦(7県から調達)、雄町、五百万石も使用していますが、2023年現在三品種に集中しており、あまり多くの品種や酵母の種類を使わず、安定した品質の製品を安定的に出荷することを主眼としています。水は、ワインと異なり蔵元の個性を決定づける重要な要素であり、弱硬水の「万葉黒牛の水」により、力強い発酵力が得られ、蔵の特徴ある味わいを形作っています。季節雇用から社員制への転換を完了しており、能登杜氏組合所属ではありますが社員杜氏がチームを率い、多くの受賞歴をも重ねています。設備面でも2010年代から順次全工程に亘り、先端的かつ安全衛生面も高めた設備更新、増設を行い、米・水・人(技術)・設備の全要素を統合したものがブランドであるとして、総合的な実力を高めてきております。地元での日常生活の中で愛される純米酒需要を大切にしておりましたが、将来を見据え、大都市圏への出荷、さらには輸出への取り組みを強めつつあり、現在10数カ国に着実にファンを拡げつつあります。ハデさはありませんが、飲み飽きせず、ボディーのある香味は、少し味のある料理に合わせやすく、日本食だけでなく広く、世界の人々の食に使われるようになりたいと願っております。